軸組構造の建物の重要な構造材である梁は、荷重により若干の
たわみが生じます。特に木製梁の場合は、樹種、乾燥度合い、
節や割れの状況によって強度や品質のバラツキが大きく、
ズレやキシミなどの原因となります。また木製梁は長期間荷重が
かかり続けると、たわみ変形量が年々増えていくクリープ変形という
現象が起こり、これにより引き戸の開閉がしにくくなる等、
住宅に様々な不具合が生じます。しかし、鉄骨を芯材とした
テクノビームではこのクリープ変形がほとんど進行しません。
木質構造設計規準では木製梁のたわみ量を、柱間の距離の
1/300と規定されていますが、テクノストラクチャーではより構造の
安全性に配慮。床梁と根太のたわみ量を1/600以下と設定し、
構造計算上での梁のたわみの量を半分以下に抑える設計にしています。
近年、木造住宅でも構造設計や構造計算の重要性が叫ばれ、構造設計の実施をうたう住宅も増えてきています。
しかし、ひと口に構造設計と言っても、その内容はさまざまで、そのほとんどが、家としての最低限の条件を満たすために、
法律で定められている基準のみをクリアする壁量計算と呼ばれるものです。
テクノストラクチャーでは、法律で定められた壁量計算だけでは不十分と考え、より高度で多角的な『立体的応力解析』で
388項目ものチェックを実施し、構造的に負担のかかるほぼ全ての部位の強度と、住まい全体のバランスを十分に
確保できるようにしました。
木には、生育してきた縦向きには強く、横向きには弱いといった特性があります。
つまり柱のように木を縦向きに使う場合は十分な強度が期待できますが、
梁のように横向きに使う場合、強度が不足しがちになるといった弱点があります。
テクノビーム4.5と、乾燥材(ベイマツ無等級材)の木製梁を用いて、梁ー梁接合部のせん断強度実験を行いました。その結果、木製梁のほぞ接合部が82.1kN(約8.3トン)で破壊したのに対し、テクノビーム4.5のボルト接合部は同じ荷重に耐えました。 また、そのときの変位はわずか9mmでボルト接合の高強度を実証することができました。
地震や風により建物が揺れると、上部のゆれに引っ張られて、建物には柱を引き抜くような力がかかります。
そのような場合にも柱が抜けることがないよう、テクノストラクチャーでは、柱材と、梁や土台との接合には、
ドリフトスピン接合[ほぞ金具(φ22mm丸鋼材)とドリフトスピン(φ13mm丸鋼材)]を採用して、
柱の引き抜き強度を飛躍的に高めています。また構造計算によりさらに強度が必要な場合は、専用の金具で補強します。
テクノストラクチャーの柱の引き抜き設計強度は、一般的な木造説合金具を使用した場合と比べ約3倍の引き抜き強度があります。
テクノストラクチャーでは、柱と柱の間を、最大約10m(壁心寸法)まで広げられるため、一般的な木造住宅を超える大空間が実現でき、ワイドビューで楽しめる大きな窓の設置も自由です。
また、テクノ接合金具の採用により、従来柱の接合のために必要だった「ほぞ加工」が不要に。柱の長さをまるまる生かした高い天井高が可能になりました。2階建住宅で1階・2階とも最大2.8m(一般的な住まいは2.4m)もの天井高が実現できます。
テクノストラクチャーでは、都市部の限られた敷地条件でも伸び伸びとした暮らしができる3階建を実現しました。それらを可能にするのが高強度を誇る「Mフレームシステム」です。1階部分に採用すれば、車をすっぽり抱き込んだビルトインガレージを実現できます。しかも高強度のMフレームだから2台並列駐車も可能。また、2階部分に採用すれば陽当たりの良い2階を広々としたリビングにすることも。強靭な部材が、構造強度をしっかり確保しながら快適な暮らしをもたらします。
<Mフレームシステム>
Mフレームは壁ではなく門型のフレームで大空間を支える部材です。3層分の荷重や地震・台風等の揺れにも耐えうる、強靭な接合を誇ります。
Mフレーム<全面開口タイプ>を使えば、従来の木造住宅では実現するのが難しかった3層連続の全面開口も実現できます。都市部狭小地での採光確保や、木造住宅とは思えないような斬新な外観デザインを楽しむことができます。